Apr 27, 2023

สาระความรู้กับศูนย์ญี่ปุ่นศึกษา 10:社会の「危機」



 こんにちは!チェンマイはこの頃少しずつPM2.5が弱くなってきて、過ごしやすくなりました。まあ、それでも猛烈な暑さは変わりませんが😂

 さて前回は人類学者・山口昌男先生の、社会が潜在的に抱えている危機に直面することが文化の創造性である、という見方のことを紹介しました。

 今週はその視点から、田遊びの祭りで人間ではない者たち=異人たちが登場することが、一体どのような意味をもっているのかについてみていこうと思います。

 田遊びにはいろいろな異人たちが登場します。たとえば天狗。天狗は鼻の長い赤い顔をしていると想像される、伝説上の生き物です。大ヒットアニメ『鬼滅の刃』の鱗滝左近次先生が被っているお面がそれですね。




 それ以外にも仮面を被った異形の民がでます。




 また、ヨネボウという米の精霊や神話上の獅子らも出てきます。

 これらは私たちの世界にはいない、いわば「あっちの世界」の異人たちです。

 こんな「あっちの世界」の者たちがこちらに来たら、どうですか?やはりちょっと怖いですよね。社会が安定しない。つまり、これは社会の象徴的な危機が見立てられているわけです。

 きっと祭りが始まった1000年以上前から、地域の人々は私たちの世界と表裏一体にある「あっちの世界」を意識していたのでしょう。私たちの世界は一見安定しているようでいて、実は常に「あっちの世界」からの侵入を許す綻びや不安定さを感じていたのではないでしょうか。

 だからこそ祭りでは、両者の世界の境目を溶解、「あっちの世界」の者たちを眼前に登場させて、危機的状況を見立てたのです。これは山口先生の言う危機に直面する技術としての文化ですね。

 では、祭りで表面化された社会の象徴的な危機的状況は、どのように回復されるのでしょうか。だって、いつまでも「あっちの世界」の異人たちがウロウロする危機的な状況では怖いですもんね。

 そのことについては次回にみていきたいと思います。ということで、それではまた来週!

(文責:若曽根了太)


<参考>
・山口昌男. 2009. 『学問の春』. 平凡社.
・Ryota Wakasone. 2560. บทบาททางสังคมของโทะชอโยริในฐานะผู้นำพิธีกรรมในช่วงกลางสมัยเอโดะ: วิเคราะห์เกี่ยวกับงานเทศกาลทะอะโซะบิ. วารสารวิชาการของสมาคมญี่ปุ่นศึกษาแห่งประเทศไทย (JSN Journal). 7(2): 27-38. (タイ語論文).
・写真は2012年に若曽根が撮影。

Apr 19, 2023

สาระความรู้กับศูนย์ญี่ปุ่นศึกษา 9:「危機」と文化

  



 こんにちは!すっかりブログアップの間隔をあけてしまいました。ごめんなさい。

 タイは先週、ソンクラーン(タイ正月)で4年ぶりの水かけ祭りが盛大に行われたところです。祭りのあとで皆さん疲れが出たのでしょうか、チェンマイ大学内はあまり人がいなく静かです。


 さて前回から引き続き、田遊びについてみていこうかと思います。今週・来週は田遊び祭りが見立てる社会の象徴的な「危機」についてです。

 ここでの「危機」というのは、人類学者の山口昌男先生の考え方に従って、「社会が潜在的にもっている危うさ」という意味で使っています。つまり「危機」とは何か突然おそってくるようなものという意味ではありません。地球の外からUFOが襲ってくる、とかいうことではないんですね。

 そうではなくて、むしろ普段「一貫性や体系性を備えているようなふりをしている組織や制度が、潜在的にすでに抱えている」問題、それが表面化することという意味で使います。

 山口先生は、イタリアの哲学者ウンベルト・エーコの発言と断りながら、危機と文化について次のように述べています。


 「文化の創造性というのは元々、危機を排除するのではなく危機に直面する技術である」


 つまり、社会というのは何らかの危機を潜在的に抱えています。それが表面化したときにどのように対応するのか。その準備をするために「危機に直面する技術」を磨くことが文化の創造性だというのですね。

 この視点からすれば、田遊び祭りで見られる理解しにくい場面も少しわかりそうです。

 例えば田遊びは豊作を祈る祭りなのに、天狗などの異人たちが出てきます。それは一体なぜなのかといったことも、「危機」との関わりでクリアになると思うのです。




 そのことについては、来週、詳しくみていくことにしたいと思います。それでは、また!


<参考>
・山口昌男. 2009. 『学問の春』. 平凡社. (174-176頁を参照).
・Ryota Wakasone. 2560. บทบาททางสังคมของโทะชอโยริในฐานะผู้นำพิธีกรรมในช่วงกลางสมัยเอโดะ: วิเคราะห์เกี่ยวกับงานเทศกาลทะอะโซะบิ. วารสารวิชาการของสมาคมญี่ปุ่นศึกษาแห่งประเทศไทย (JSN Journal). 7(2): 27-38. (タイ語論文).
・写真は2012年に若曽根が撮影。