こんにちは!チェンマイはこの頃少しずつPM2.5が弱くなってきて、過ごしやすくなりました。まあ、それでも猛烈な暑さは変わりませんが😂
さて前回は人類学者・山口昌男先生の、社会が潜在的に抱えている危機に直面することが文化の創造性である、という見方のことを紹介しました。
今週はその視点から、田遊びの祭りで人間ではない者たち=異人たちが登場することが、一体どのような意味をもっているのかについてみていこうと思います。
田遊びにはいろいろな異人たちが登場します。たとえば天狗。天狗は鼻の長い赤い顔をしていると想像される、伝説上の生き物です。大ヒットアニメ『鬼滅の刃』の鱗滝左近次先生が被っているお面がそれですね。
それ以外にも仮面を被った異形の民がでます。
また、ヨネボウという米の精霊や神話上の獅子らも出てきます。
これらは私たちの世界にはいない、いわば「あっちの世界」の異人たちです。
こんな「あっちの世界」の者たちがこちらに来たら、どうですか?やはりちょっと怖いですよね。社会が安定しない。つまり、これは社会の象徴的な危機が見立てられているわけです。
きっと祭りが始まった1000年以上前から、地域の人々は私たちの世界と表裏一体にある「あっちの世界」を意識していたのでしょう。私たちの世界は一見安定しているようでいて、実は常に「あっちの世界」からの侵入を許す綻びや不安定さを感じていたのではないでしょうか。
だからこそ祭りでは、両者の世界の境目を溶解、「あっちの世界」の者たちを眼前に登場させて、危機的状況を見立てたのです。これは山口先生の言う危機に直面する技術としての文化ですね。
では、祭りで表面化された社会の象徴的な危機的状況は、どのように回復されるのでしょうか。だって、いつまでも「あっちの世界」の異人たちがウロウロする危機的な状況では怖いですもんね。
そのことについては次回にみていきたいと思います。ということで、それではまた来週!
(文責:若曽根了太)
<参考>
・山口昌男. 2009. 『学問の春』. 平凡社.
・Ryota Wakasone. 2560. บทบาททางสังคมของโทะชอโยริในฐานะผู้นำพิธีกรรมในช่วงกลางสมัยเอโดะ: วิเคราะห์เกี่ยวกับงานเทศกาลทะอะโซะบิ. วารสารวิชาการของสมาคมญี่ปุ่นศึกษาแห่งประเทศไทย (JSN Journal). 7(2): 27-38. (タイ語論文).
・写真は2012年に若曽根が撮影。
・山口昌男. 2009. 『学問の春』. 平凡社.
・Ryota Wakasone. 2560. บทบาททางสังคมของโทะชอโยริในฐานะผู้นำพิธีกรรมในช่วงกลางสมัยเอโดะ: วิเคราะห์เกี่ยวกับงานเทศกาลทะอะโซะบิ. วารสารวิชาการของสมาคมญี่ปุ่นศึกษาแห่งประเทศไทย (JSN Journal). 7(2): 27-38. (タイ語論文).
・写真は2012年に若曽根が撮影。